転職先の上司がモラハラ。人事に訴えてもかわらない場合は?【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.47】
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40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!
<PROFILE>
ジェーン・スーさん
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コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。
HARUKOさん
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モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。
~第47回~
◇ 転職先の上司がモラハラ。人事に訴えてもかわらない場合は?
1年ほど前に、今の会社に転職し、希望する部署に配属になりましたが、直属の上司が、大声で部下を叱責したり、休日にも仕事の電話をかけてきたりするのがストレスです。同僚は、飲み会などでは愚痴を言いますが、人事に伝えることはしておらず、「会社の体質は変わらない」と言うばかりです。私は、転職後の人事面接があったため、「モラハラではないでしょうか」と伝えましたが、人事担当者は、「上に報告をして対処します」とは言いつつ、「でも○○さんは面倒見がよくていい人なんですよ」などと、お茶を濁すようなことも同時に言われ、その後も状況は改善しません。そもそも、この会社は昔気質な体質だったのに、転職前は、焦っていたこともあり、十分にリサーチしていなかったのかもしれないと反省しました。ただ、今回の転職活動では、かなり苦労したため、再度転職とも今は考えられません。また、転職1年でまだまだ「アウェイ」なので、何度も人事に訴えるのも気が引けますし、ここには相談に乗ってくれる「同期」もいません。希望していた部署でしたが、ここから異動させてもらうしか、方法はないでしょうか。
(東京都在住 38歳 食品メーカー勤務)
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そうですね。このお話を聞く限り、移動もしくはもう一度転職をするしかないように思います。というのは、この方は、すでに手は尽くしている。昔から務めている会社なら、まわりの人とスクラムを組んで、戦うこともできますが、それも難しい状況ですよね。
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昭和な空気を感じますよね。私は会社勤めの経験があまりないからわからないんだけれど、こういう会社って今も多いんですかね。
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まだまだたくさんあると思いますよ。私は、自分をなるべく不幸なところに置いておかないというのが生きる上での自分の責務だと思っているんです。不幸っていうのは、どんなに気をつけていても、向こうからやってきてしまうものだから、不幸にならないようにしろ、とは言わないんですが、もし、不幸な場所に自分がいると思ったら、長くそこに身を置かないことです。環境を変えるなり、自分が動いて立ち去るなりして、そこにとどまらない。今回の場合は、環境は変えられなそうなので、自分が動きましょう。
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その考え方って、すごく適用範囲が広くて、会社だけでなく、例えば子どもが学校でいじめられている、といった場合にも言えることだよね。
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そう。あと、幸せじゃない恋愛関係とか結婚とか。自分のことを軽んじる家族のもとで育った場合は、家族だってそうです。
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会社だって学校だって家族だって、外から見ればすごく小さな世界なんですよね。
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そうなんですよ。外には広い世界が広がっているのに、その中にいると、ここがすべてになっちゃうんです。もちろん、何かあったときに、変える努力は必要だけれど、もう十分努力はされましたよ。
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相手を変えようとするのはとても大変。だから、逃げだろうが何だろうが、そこから出たほうがいいと私も思います。
当連載は毎週金曜日配信です。
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撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美