三山凌輝さん(25)「人同士はすれ違う。だからこそ向き合うしかない」

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俳優、そしてアーティストとしても注目を集め、2月7日公開の映画『誰よりも強く抱きしめて』では主演を務める三山凌輝さん。俳優としての役作りや、三山さんの人生観について語っていただきました。

Profile

1999年4月26日生まれ。愛知県出身。俳優。BE:FIRST のメンバーRYOKIとしても活躍。2023年出演のドラマ「生理のおじさんとその娘」はギャラクシー賞の奨励賞を受賞。2024年はNHK連続テレビ小説「虎に翼」に出演。今回の映画では主演を務める。

普段の自分と正反対の性格を演じることで精神的に救われた

――今回の映画では、強迫性障害による潔癖症を抱え、恋人に触れることができない良城(よしき)という難しい役を演じました。

自分のイメージとかけ離れている役、とよく言われます。普段、表に出ている自分のエネルギーの部分とは逆なのかな、と思いますが、良城に共感することもたくさんありました。台本を読んで「確かに悲しいよな」「これは嫌だよな」と、根本の気持ちは理解できる。一方で「何でこんなダサいことしちゃうんだよ」とか、自分だったらこうしないのにな、という部分もある。悲しいという気持ちは一緒かもしれないけれど、どう外に出すか、どうアプローチして表現するか、どういう言葉を発するかは性格によりますよね。

役を演じる場合「自分だったらこうしない」は要らなくて、良城に全力で注ぎ込む、信じるという部分が大事だと思っています。そこを大事にして、自分が完全に良城の感情に寄り添ったタイミングでお芝居をすることが、どのシーンについても一貫して変わっていないあり方です。良城と共存するため、距離を近づけるために、彼の気持ちに寄り添いながら、人間として共感できる部分をすり合わせる感覚です。

また、ちょうど、この役を演じた頃は、僕自身が色々と考えるような時期でもありましたので、良城と感情をリンクさせやすかったこともあり、そこはよかったなと思いました。むしろ、良城を演じることで自分の内面を整理できるような感覚もあって。もし、これが逆に元気ハツラツ!みたいな役だったら、大変だったかもしれないです(笑)。

気持ちのすれ違いは諦めず向き合う。100%解決しなくても、必ず学びがあるから

――映画は登場人物4人の想いが錯綜するストーリー。気持ちのすれ違いがもどかしい場面もありますが、三山さんなら気持ちのすれ違いが起きた時、どうしますか?

仲間や仕事など含め人同士は、すれ違うのは当たり前だと思うんですそのすれ違いを凌駕してまで、その人を理解できるか?どこまでその人と向き合いたいか?だと思います。その人が大切だったのなら、向き合うしかない。

もし、それすらもわからない時は、その人とどうしようもなくなるまで、向き合ってみればいいと僕は思います。「わからない」という時点で、未練があるじゃないですか。僕はそこで「諦める」という手段をとりたくない人間。「わからない」という答えも、好きじゃないんです。一回すれ違っても、向き合ってちゃんと話し合うことができたら、根本的に100%は解決しなかったとしても「この人ってこういうこと嫌なんだな」「こういうこと苦手なんだな」とわかることがあるじゃないですか。そこがわかるだけでも学びだと思うんですよ。

「それでも、この人のことが好きだな」って思えたならば、それをその先に活かすことができてくる。人間関係って、全部が全部うまくいくようにと一つずつ対処しようと思っても、きりがないんですけど。一緒にいたいなら向き合う。自分がその人と向き合いたいと思うかどうかが、すべてだと思います。自分がどうしたいのか向き合うことと、相手と向き合うこと。自分と向き合うのも相手と向き合うのも、同じことなんですよね。

Information

映画『誰よりもつよく抱きしめて』

感動必至の純愛小説として話題となった新堂冬樹の同名小説を映画化。誰もが一度は味わったことがある、愛することの無力さやもどかしさに共感し胸を締め付けられる、切なくも美しい物語。共演に久保史緒里(乃木坂46)、ファン・チャンソン(2PM)。監督は『ミッドナイトスワン』の内田英治。主題歌となるBE:FIRSTの『誰よりも』は、三山さんが作詞にも参加している。
2025年2月7日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

撮影/You Ishii 取材/加藤みれい 構成/越知恭子