“大人になって友達が減った”人は注意報!『テイカー・ギバー』あなたはどっち?
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結婚や出産、仕事が忙しくて…と変化が多いアラサー世代。昔は仲が良かった友人といつのまにか疎遠に…ということも多々あります。実はそれ、ライフステージの変化だけじゃなく“テイカー気質”のせいかも?大人になるにつれ友人が減る現象の原因に迫ります。
テイカーってどんな人?
「テイカー」とは、常に与えるより多くを受け取ろうとし、自分の利益を優先する人のこと。物事をギブ&テイクに分けて考えたとき、受け取ってばかりの人だけでなく、与えているように見えてもギブが〝テイクのための手段〟になっている人もテイカー。行動ではなく行動の奥に潜む〝思考〟の違いで判断します。
実はあなたも無自覚テイカー?
大人になって友人が減った人はこんなことをしていた!
“ギバー・テイカー理論”から紐解く
大人の友人関係のあり方って?
親切の積み重ね=ギバー的行為で結果的に友人関係も良好に
人は、惜しみなく与える「ギバー」、真っ先に自分の利益を優先させる「テイカー」、損得のバランスを考える「マッチャー」の3種類に分けられる、というのが「ギバー・テイカー理論」です。
純粋なギバー(マザーテレサなど)やテイカー(強盗殺人犯など)はほんの一握で、誰しもあらゆる要素を持っています。
ビジネスで最も成功するとされているのがギバー。情けは人のためならずと言うように、見返りを求めずに与えるほど自分の想像を超えた結果がついてきます。
友人関係においては、年を取るにつれて、心地よいと思わない人が離れていくのは当たり前。そもそも、友人関係を続けたいからギブしようという考え方自体がテイカー的発想です。CLASSY.世代は結婚、出産など特にライフステージの変化が目まぐるしい時期。環境が変われば、自ずと関心事や会話の内容は変わってくるもの。会う頻度や友人関係の形は変化すれど、本当に合う大切な相手とは長く関係が続くものなのです。そういった長く良好な友人関係を築きやすい人に、結果的にギバーが多いことは間違いないでしょう。
ただ、テイクすること自体は悪いことではありません。人間はそもそも自己利益を追求しようとする生き物。大切なのは意識とその比重です。特に若い世代ほど、“自分”の比重が大きく、テイカーになりやすい。皆自分が大切だし、自分を客観視できなくて当たり前。良い悪いというよりも、そういうものだと理解するだけでも一歩前進。まだ若いからこそ、これからの人生、ギバーの思考を知り、意識・自覚を持つことが大事です。
または、行動から変えることも有効。意識が追い付かずとも、まずギバー的行動をしてみることで、徐々に考え方もギバーに寄っていくと考えられます。何よりもまずは世の中をギバー・テイカー・マッチャーのレンズを通して見てみてください。
そして、もし自分がテイカーだと気づいたら、読書などを通して人のものの見方を知り、視野を外に広げてみましょう。世間は様々な人がいてそれぞれ利害を抱えていることを理解する、思い通りにならないこともあると受け入れる、すなわち成熟度を上げることで、ギバーへと近づいていくはず。そうして、結果的に、友人関係も良好な状態になっていくでしょう。
〝成功ギバー〟はどんな振る舞いをしている?
良好な関係を築けるギバーは、こんなときどうする?CLASSY.世代のあるあるシーン別にそれぞれの行動・思考を覗き見。ギバー的行動も、まずは形を真似してみるところから!
1.友人に結婚祝いのプレゼントを贈るとき
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相手の欲しいものをきちんとリサーチしてからプレゼントを選ぶ。
「自分の好きなものと相手の好きなものは違うから、調べておけば失敗がないはず…」
普段から相手のために何ができるだろう、と利他的な考え方をするギバーは、いい思い出を残すことを大事にしているため、相手が喜んでくれたことを「記憶」します。彼らにとって、お返しは事前に期待したり意図したりするものではありません。
\ちなみにテイカーの場合は.../
自分が欲しいもの、欲しい価格帯のものを贈る。
「相手からもお返しが欲しい!自分が欲しいものは相手も気に入るはず」
テイカーやマッチャーは自分が誰かにしてあげたことを損得勘定に置き換えて、記憶します。そしていつまでに自分にとっての利得が返ってきてほしいという思考を持っています。
2.ライフステージが違う友人から悩み相談を受けたとき
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相手が何を考えているのか理解するためにまずはじっくり話を聞く。安易にアドバイスをしない。
「話を聞くことで気分が晴れたら自分も嬉しい。相手の役に立ちたい!」
人は自分のことを話すのが大好きな生き物。自分の悩み事をじっくりと聞いてくれるギバーに対して、相談相手は自分のことを大切に思ってくれていると感じ、親身になって話を聞いてくれる姿に信頼を高めていきます。
\ちなみにテイカーの場合は.../
表面的な部分で判断し、断定的な物言いでアドバイス。最後は自分の話にすり替えてしまう。
「なんでそんなことで悩むのだろう。自分の考えが正しいはず。そんなことより自分の話を聞いてほしい!」
矛盾していますが、人は自分が話せば話すほど、相手について知ったと思うもの。テイカーは会話を牛耳ることで、周囲の人のことがわかったような気になってしまいます。
3.久しぶりに連絡を取った友人に人の紹介を頼むとき
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どんな人を紹介してほしいか、相手の都合も考えて具体的に丁寧にお願いする。お願いごと以外にも質問をし、話を広げる。
「せっかく連絡を取れる機会だから、今どうしているか気になるな…」
ギバーは自分と繋がっている人たちの環境を少しでも良くしたいという気持ちがあり、すぐにできる〝5分間の親切〟を普段からしています。「親切にしてもらった」という記憶の蓄積が信頼に繋がっているので、久しぶりの連絡でも快く受け入れてもらえます。
\ちなみにテイカーの場合は.../
関係性が薄い人にも気軽に連絡。紹介されたら途端に連絡が止まる。
「目の前の自分のことに精一杯。とにかく自分に必要な情報がわかればいい」
自分の利益になるときだけすぐに行動する習性が。悪気がなかったとしても、興味がなくなってしまいます。そのため、相手に都合のいい人に映ってしまうのです。
4.結婚式で会った同級生と近況報告をするとき
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相手にたくさん質問し、一つの質問を深掘り。相手から質問されてから自分の話に移る。
「久しぶりに友人に会えて嬉しいし、深く知りたい」
ギバーは質問することが得意。人に力を振るうよりも助けることに関心があるため、何か自分にできることはないか質問をします。また、ひかえめに話したり、自分から弱みを見せたり「ゆるいコミュニケーション」をする傾向に。自然と〝やりとりしていて心地よい人〟になっていきます。
\ちなみにテイカーの場合は.../
自分にとってネタとして面白い話を興味本位で引き出そうとする。話題を自分の話にすぐ戻す。
「(野次馬的に)面白いネタを聞き出したい。自分の話ももっと共有したい」
テイカーは優位に立つことに魅力を感じるし、そうすることが得意です。できるだけ多くの価値を手に入れよう、自分をアピールしようとする気が強く、このような振舞いに。
教えてくれたのは...楠木 建さん
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経営学者。一橋ビジネススクールPDS寄付講座競争戦略特任教授。専攻は競争戦略。著書として『楠木建の頭の中』(日本経済新聞出版)、『絶対悲観主義』(講談社)など。
『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』(三笠書房)
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アダム・グラント著。24カ国語以上で翻訳され、世界中の人びとの働く意義を変えたといわれる大ベストセラー。
イラスト/大原沙弥香 取材/飯室紗季 編集/鈴木日向 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2025年2月号「いつのまにか〝テイカー〟になっていませんか?」より。