皮膚科医に聞いた!花粉や乾燥で唇ガサガサ…「やめたほうがいいこと」は?

唇は年齢とともに乾燥やくすみ、ボリュームダウンが気になるパーツ。特に冬の乾燥後や花粉の季節はダメージが加速…。刺激を受けやすいからこそ、しっかりケアが大切です。

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唇は汗腺や皮脂腺がないため皮脂分泌がなく、乾きやすい部位。さらに顔の中で唯一、粘膜が表に出ている部分でもあります。表皮が薄くターンオーバーが約1週間と短いため、正常な角質を作る準備が不十分になりがちで水分が保ちにくいのも特徴。飲食のほか、無意識に触ってしまったりマスクをつけたりと常に刺激にさらされ、くすんだり乾燥ダメージを受けやすいからこそケアが必要です。

リップケアの基本は肌と同様に水分を与えて蓋をすること

唇の保湿は基本的に肌のスキンケアと同じです。水分が不足している状態で、表面だけ油分で覆っても潤いません。セラミドやヒアルロン酸など浸透する水分を補給してから、ワセリンなどの油分で蓋をする(=オクルーシブ)W保湿がお勧め。就寝前やメイク前のほか、食後など乾燥が気になるたびにこまめにリップクリームを塗ることを習慣に。メイク落としは大切ですが、口紅は強く擦らずに優しく落とすことも重要。

リップケアについてのQ&A

Q1.花粉の時期は唇も荒れやすい?
【A.乾燥しているところに花粉やマスクが新たな刺激に】
冬の間の乾燥などが原因でバリア機能が低下し、唇が敏感になっているときに花粉が付着すると、さらなる刺激をもたらす可能性が。マスクをすることは摩擦になるだけでなく、唇が蒸れた状態に。蒸れがひどいとおむつかぶれのような状態が唇にも起こり、冬の乾燥で水分バランスが乱れている唇がさらに荒れる一因になってしまいます。マスクは花粉対策の意味では不織布がお勧めですが、蒸れにくく通気性のよさを重視するなら布製という選択も。

Q2.加齢と唇の荒れやすさは関係がある?
【A.乾燥しやすくなり唇の表皮も薄くなります】
加齢に伴い唇も乾燥しやすくなります。唇は元々表皮が薄い部位ですが加齢でさらに薄くなってくるので、乾燥ダメージを受けやすくなってしまうためです。元々唇は紫外線から肌を守るメラノサイトが少ないので紫外線ダメージを受けやすく、そのためシミやくすみが出やすい部位でもあります。また、美容医療で唇にヒアルロン酸注入することは、ぷっくりさせる効果はありますが、水分補給の効果は期待できません。

Q3.口角が切れるのをなんとかしたい!
【A.亜鉛やビタミンB群不足の可能性が】
口角炎は栄養が不足しているサイン。亜鉛、ビタミンB群などが不足していることで、口角に炎症を起こしていると考えられます。亜鉛は赤身肉、カキ、レバーなどの食材に多く含まれる成分ですが、日常的に摂取しにくいなら、サプリを活用して補給するのもお勧め。ビタミンB群は、口角炎という診断なら保険適用となり病院で出してもらうこともできます。激しい炎症やブツブツがある場合はヘルペスや口唇炎の可能性もあるので皮膚科で受診を。

Q4.唇が荒れている時に避けたほうがいいことは?
【A.極力刺激を与えないように化粧品も吟味を】
まず、摩擦になることは避けましょう。ゴシゴシ拭いたり、皮むけを触ったり舐めたりすると、くすみやダメージにつながります。リップスクラブは瞬間的に皮がむけてスッキリするかもしれませんが、唇が過敏な状態の時には刺激になるので控えて。荒れている時は使ったことのない口紅や落ちにくいティントリップも避けたほうが安心です。カプサイシンなど刺激物質でぷっくりするプランパーも控えましょう。

リップケアについて解説してくれたのは...

小林智子先生
こばとも皮膚科院長

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。Instagram、X、YouTubeなどで肌に悩む人に役立つ美容や健康に関する情報を医療目線で積極的に発信。

2025年『美ST』4月号掲載
撮影/草間智博(TENT) イラスト/栗尾美月 取材/門脇才知有 再構成/Bravoworks,Inc.

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