ExWHYZ mayuの「日々、ぼやき。」#9 残像

©Takuya Iioka/光文社

4人組ガールズグループExWHYZ(イクスワイズ)のメンバー・mayuさんのエッセイ連載の第9回。ラジオ番組での「リスナーお悩み相談」が核心を突きすぎる……と高いコメント力で話題の彼女が、JJ世代の一女性として等身大の“もやもや”を赤裸々に綴ります。


こんばんは、ExWHYZのmayuです。

最近、ふと写真フォルダを見返したときに過去の自撮りをみて「えーかわいいかもー!」って思った1枚があって。

ここのところ、自分が好きな自分でいられてないなあって思って落ち込んだりしていたのですが、その写真を撮ったときは「今の自分の顔だな」くらいに思っていたものがあとから見てみると悪くないと感じている点で、現在もあとから見たら、今感じているよりも良く思えているかもしれないなと思った夜がありました。ライブ映像とか見ると逆の現象起こるけど。絶対、今の方が良い!って思う。

 

なんやかんや何年かアイドルをやっていて、年々自撮りをすることが減ってきたように思います。

正直、自分の顔に飽きている。

飽きているというか、諦めている。

何年間かは練習みたいなのも兼ねて良く撮ってましたけど、だんだんとこんな感じで撮れば盛れるかな、みたいなのもわかってくるわけです。

あとはもう当社比で「今日はなんか写真写りいい日だ!」とかもわかってくるんです。

だからそんなに数を打たなくなっている。

なんていうか、自撮りって各々が自分だけで作れる作品みたいなものだと思うから、実際の顔と違う! とかそういうものではないと思っていて。

 

わたしの場合は「はい! わたしの顔です! かわいいところこれです! どうぞ!」みたいな気持ちがそもそもあんまりなくて、でもアイドルとしてはそれが仕事だよなって思うので、出来るだけ良い感じで撮るようにはしてるんですけど。

顔の造形自体に自信があるわけでは全くないから真っ向から自撮り(感覚的には物撮りに近い)しようと思うと気持ちが負けるし、かと言ってしっかりと加工をしてお届けするのも自分っぽくないな〜って思うから(とはいえ多少整える時もありますが)、最近は全体的な雰囲気を大切にして撮っていると思います。

あと、どこから撮っても良い!と自分は思わないので、だいたい同じような構成の写真になってしまい、ちょこっとだけ、みんなもわたしの写真に飽きてるんじゃないの!?!?!? って気もしてくる。

「そんなわけないし、あればあるだけみんな嬉しいんだよ」とGANG PARADEの月ノウサギちゃんが言ってくれましたが。(えらいなあ)(そうだよね)(わたしが卑屈過ぎてるよね)(仕事をしろ)(工夫をしろ)(はあ)

 

自撮りはもちろん、時にはカメラマンさんに撮ってもらったり、わたしたちのライブは撮影可能なのでファンの人がカメラで撮ってくれたり、あとはiPhoneで誰かに撮ってもらうこととか、写真を撮られることは身近なことで。

なので、こんなことを言ったら各所に申し訳ないんですけど。。。

本当は写真を撮られることにすごく苦手意識があります。

カメラが苦手というよりかは、その奥にいる人のお眼鏡にかなっているのか?ということを考え始めてしまって、いつもぎこちなくなってしまうのです。

別に誰もわたしにそんなには求めてないと思うんですけど、自分で自分に過度にプレッシャーをかけてますよね。がっかりされたくないし、常に自分は何か欠けていると思っている。

↑ 撮影どころか人生基本ずっとこれじゃん

 

全力出してそれバカにされたら嫌だな怖い!!!

いやまあそんなの気にしてない時のわたしが一番良いんですけど。わかってるんだけどさ!!!!

「自分が自分として認められたい(認めたい)」という気持ちと「そんなんで良いわけなかったじゃん」っていう気持ちがずっっっっっとある。全部に。

……えっと、まって、自撮りの話からここまで来ちゃった!

まとめられないかも〜ごめんなさい。

 

なんていうか、写真とか文章とかそういう記録になって残るものを自分で見ると思考が止まらなくなって、恥ずかしくなって、反省ばかりになってしまって、ちょっと苦しくなっちゃうんですよね。

だからこのコラムも提出したら読み返せないと思います。でも文章にしたいって思っちゃってるから書いてる。いつも反対のことを同じだけ思ってしまって疲れる!

反省、提出、自覚、反省、提出。

自分は知らぬ間に反省が自責にすり替わっていることが多いから、振り返ることが少し苦手です。

そういう意味でライブはそんなことを考えている暇がないくらい瞬間の繰り返しだから、没頭できて気持ちがラクなんです。

ライブ! 一発撮り! 大好き!

我を忘れて夢中になりたいし、わたしはその瞬間だけが生身の自分だと思ってるし、それを見てほしい、認めてほしいと思うのはものすごくわがままかもしれないけど、それが当たり前じゃん人間だもん!

夢中になれること(そのままでいられること)が自分にとって何かを知る必要があるんですけどね。わたしにとってはそれがライブであったりするわけなので、わたしはライブをがんばりたいです。

あ、わたしはたまたまそうってだけで「あなたはそうなんだね」で話を終わらせたいわけじゃなくて。

ステージに立つことが見た目にわかりやすいだけで、誰でも何でも自分を解放する場所があるはずだって信じてる(信じたい、信じさせてくれ)から、自分を持て余して自分で消してしまう前にバカになって何かに飛び込んでみたいよねと思います。

わたしはおしゃべりもあんまり得意じゃないし、特別かわいいわけでもないし、何かめちゃくちゃ才能があるわけでもなくて、それにものすごく引け目を感じている反面「それでなにが悪いの?」っていう気持ちがあるからステージに立つときはいつもただの自分がそこに居ると思うし、
それはわたしだけじゃなくて、誰だって人生というステージにそのまま立っていていいに決まってるし「このままで良いのかなあ」「このままで居たくない」っていっぱい悩んで迷うような優しい人ほどそれでも良いってことを、
自分が1番そう思いたいし、そう思ってる人が一人一人、いっぱいいたら少しはいい世界になりそうだから、わたしもその1人としてせめてライブの間はずっと “そのまま” でいたいと思います。

ただ、伝えるということには技術が必要だし、思うままに歌い、踊り狂いたいならばそのために “そのまま” のわたしをレベ上げしなきゃいけないと思うので、これからも自分なりにがんばりたいです!

とにかくやるしかないんだよ〜〜〜〜〜

 

まあでも何かを表現することは絶対生きることに必要なことだと思うから、上手い下手とかお金になるかとかスピードとか関係なく、やれたらなんでもやると良いなって最近思いました!

あとそういうのを形にして残すのも結構大切だと思います、だからわたしもわたしの作ったものや思い出を大切にしていこうと思います。(わたしのファンの人は優しいから今回のコラムを読んでわたしのライブ写真を撮ったりすることをやめた方がいいかもしれないと思うかもしれないけど、そんなことは気にしないでこれからもやっていくんだよー!)

 

それではまた。

©mayu/WACK、光文社

profile/mayu (ExWHYZ)

2017年8月に事務所の先輩グループBiSHのイベントでお披露目された「EMPiRE」の初期メンバーとして活動をスタート。同グループは2022年6月に突如解散し、同じメンバーで「ExWHYZ(イクスワイズ)」を結成。2023年5月には、所属事務所・WACKのグループとしては初となる日本武道館ワンマンライブを開催し、成功させる。EMPiRE時代から作詞や振り付け、チームのまとめ役を担うコアメンバー。また個人としても、冠ラジオ番組にコンビニご飯のコラム執筆など、マルチに活躍。
2025年4月5日に、不定期でおこなっていたオールナイトライブ企画をレギュラー化、第1回はゲストにパソコン音楽クラブ、DONGROSSOの2組を迎え、Spotify O-EASTにて実施。その後5月より全国11都市を巡る「ExWHYZ TOUR 2025 ‘(unfinished) odds and ends’」を開催する。

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photo/Takuya Iioka
styling/Erika Abe
hair & maku-up/Yuri Ikeda[éclat]