SNSの食事が話題!井上咲楽さんの【気負わない自炊】“自分だけのごはん”でキレイになろう

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堀田茜が「30代になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載25回目。今回はSNSの食事が話題の、俳優、タレント の井上咲楽さんに「自炊に対する考え方」についてお話を伺いました!

仕事が忙しい中でスーパー行ってメニュー考えて作って…のモチベーションを保つのって難しい

今月のゲストは…俳優、タレント 井上咲楽さん

【今月の茜のモヤモヤ案件】
自炊を気負わずできるようになりたい。忙しい日々の食事をコンビニ、ファストフード、デリバリーなどが助けてくれますが、そればかりになるとさみしい。井上咲楽さんのSNSを見ていると多忙な中でも自分で作った食事を大切にされていらっしゃると感じますがどうすればいいですか?

「生活を自分で作り上げる感覚が手に入るのも自炊の魅力です」(井上)

茜:井上さんのSNSやレシピ本に載っている料理って、見ていてホッとするし、親近感もあるし、飾らないのにこだわりも感じられて、どうしてこういう雰囲気が溢れているのかお話をお伺いしてみたかったんです。
井上:ありがとうございます。私が料理をはじめたのは小学生の頃で、母から「土鍋ご飯とお味噌汁と卵焼きだけは作れるようになりなさい」と言われて育ちました。でも本当に自炊が楽しいと思えるようになったのは大人になってから。仕事が忙しいと外食や現場のお弁当ばかりになってしまうじゃないですか。提供され続ける生活というか、受動的な食事が不安だしストレスなんですよね。仕事はがんばりたい。でも自分で生活を回している実感が欲しいから、自分の手で自分の味を作って食べることで、生活に満足できるんです。
茜:私、自分の味が食べたいと思ったことがないです…。自分の味というものが完成されてなくて…。自炊はするんですけど、がんばって作って「とりあえずこれでよし」にしてしまうんですよね。でも疲れて帰ってきて、自分のご飯が美味しいと思えることはすごく幸せだし、その瞬間だけは素の自分に戻れる時間だなって思うんです。
井上:自炊って自分が満足できる味を作れればいいじゃないですか。外食にはない地味さが自炊の良さだし、外食レベルの味を家で食べたいわけでもないし、外食と自炊は別物だと私は思ってます。たとえばクタクタで帰ってきた日に、マグカップにお湯を注いで、鰹節を入れて簡単に出汁を取って、お味噌とあおさを入れて少し蓋をしておけば、火を使わずともお味噌汁になる。それに冷凍しておいたご飯をチンして添えれば、それでおいしい食事になりますよね。
茜:いろんな人のSNSを見ていると、レストランみたいに品数があったり、見栄えもオシャレな食卓にする人がたくさんいて、あれじゃなきゃ自炊と言えないって思っちゃう人も多いと思うんですよ。そうじゃなくていいんですよね!
井上:たとえばパエリアとかスパイスカレーを作れないからって料理ができないことにはならないですよね。そういう手の込んだものを作る料理と、冷蔵庫にあるものでパッと作る料理だと、流派が違うというか、別の呼称が欲しいと思ってしまうくらいには違うなって(笑)。
茜:そうですね。私はメイン料理を決めてからスーパー行って、なんとなくそれに合う副菜をその場で考えて買い物をするんですけど、手をかける具合もどこまでがいいのかわからないし、料理をする気分にもムラがあって、毎日キッチンに立てるタイプではないので、モチベーションの維持も難しいです。
井上:私の両親は暮らしを楽しむことに重点を置いた生活をしていたので、手の込んだものを毎日作る日常がありましたけど、私は仕事をがんばりたい気持ちが生活の優先順位の一番。仕事をよりよくするための自炊なんですよね。きっと堀田さんもそうですよね?だから、無理して料理をしなきゃと思わずとも、お味噌汁とか納豆とかお豆腐とか、そういうものを食卓に出すだけでも十分だし、自分が満足できるのが一番かなと思います。

インスタ映えする料理と自炊は違う流派。自分が満足なら、それで十分ですよね

「井上さんの肌がものすごく綺麗。滲み出る美しさも自炊から?」(茜)

茜:料理が好きになったのは大人になってからと言ってましたけど、料理のどんなところが楽しいですか?
井上:いろいろありますけど、ひとつは発酵食品が好きで、ぬか床や塩麹も自分で作っています。それは料理というより実験の感覚なんですよね。発酵食品が育っていく過程の観察が楽しいです。あとは外食が続くと体が重く感じることがあって、自分のご飯に戻ると整う感じがする変化。体内のことって見えないから感じるしかないですけど、それもおもしろい。
茜:考えたことない視点!お会いしたときから、井上さんの肌がものすごく綺麗なことにどうしても目がいってしまうんですけど、内面から滲み出る美しさだなと思って…。体内変化に敏感で、手作りのものをバランスよく食べていらっしゃるからですよね。トレイルランニングもやってますよね?
井上:子供の頃から発酵食品とか体にいいものを摂り続けているので何が肌にいいかはもうわからないんですけどね。でも上京したての頃にそれこそ外食と現場のお弁当ばかりになったときは、肌がすごく荒れました。トレランをやるようになってからは特に体中の枯渇感がわかるようになりましたね。今すごく塩辛いものが食べたいな、塩分足りてないんだなとか。マラソン後は免疫が一気に落ちて風邪をひきやすくなるんですけど、発酵食品やタンパク質をしっかり摂りなさいとトレーナーに教わって、やっぱり体は食事でつくるものなんだなって気づいたりとか。
茜:それもまた実験みたいですね(笑)。井上さん、身近な物事に興味を持つのがお好きですよね?
井上:そうですね。自分だけじゃなく他人の生活にも興味があって、その人が何時に起きて、普段何を習慣にしていて、いつもカバンに何を入れていて、何時間睡眠を取るのかなとか考えるのが好きです。
茜:暮らしが好き、という理由はそこにもあるんでしょうか。私も井上さんの暮らしに興味があったので、お話が聞けてとても楽しかったです。

\茜の取材ノート/

食事も暮らしもラクをしようと思えばいくらでもできるし、若い時に暮らしに手をかけるってなかなか難しいから、井上さんくらいの年齢の方が暮らしを楽しんでいる姿がすごく素敵だと思いました。自炊ってきちんと手の込んだものを、品数多く作らなきゃいけないことだと思い込んでしまい、余裕がないと手をつけられずにいましたが、自分が満足できるものを作って、それに納得していいんだなと知れたのがうれしいです。今日は帰ったらお味噌汁作ります!楽しい対談でした!

井上咲楽さん(俳優、タレント)
1999年、栃木県生まれ。2015年「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」を経て芸能界入り。数多くのバラエティ番組で活躍。2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」に出演。オレンジページnetで連載「井上咲楽のすこやか発酵ごはん」毎月更新。著書に『井上咲楽のおまもりごはん』(主婦の友社)。「発酵食品ソムリエ」資格、「食品衛生責任者」の資格も持つ。

[茜衣装]ジャケット¥72,600(クチュールドアダム/ホワイトオフィス)[井上さん衣装]シャツ¥36,300ビスチェ¥33,000スカート¥35,200(HOUGA)イヤカフ¥19,800リング¥13,200(ケンゴ クマ プラス マユ/ヴァンドームヤマダ)

撮影/杉本大希 スタイリング/大野由加里[堀田さん分] 熊谷美佐[井上さん分] ヘアメイク/小原愛奈[堀田さん分] 高橋有紀[井上さん分] 取材/野田春香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2025年4月号「堀田茜のほったらかしにしたらアカン!」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。