RIKACOさんは「壁に穴をあけた」息子二人に、どう対処してきたのか?
二人の「壁穴男子」を育て上げた先輩ママ:RIKACOさんに聞きました!
「壁穴男子」って?
「うちの息子が壁に穴をあけて……」というSTORYライターの悲鳴から始まった本企画。アンケートをとってみれば、思春期男子を持つ家庭の6割近くが壁に穴があることが発覚!
「壁穴」は、伝えきれない思いを秘めた息子たちのサインです
RIKACOさん
13歳でモデルデビューして以来、ファッションからライフスタイルまで多くの女性の憧れの存在として支持を集め、タレントとしても大活躍。近年は、二人の息子さんが度々登場するインスタグラムやYouTubeも人気を集めています。

今年29歳と25歳になるうちの息子も、思春期の頃といえば、ご多分に漏れず壁に穴をあけたことがありました。日本の環境だと、「うちの息子が壁に穴をあけた!」とオープンに言えないムードですし、カウンセリングなど相談にも行かず自身で抱えてしまうママが多そうですよね。でも、もっとオープンでいいんじゃないかしら。「うちの息子も壁穴あけたのよ」って、語り合ったほうがきっと気が楽になると思いますよ。
更年期と一緒で、反抗期もアンバランスなホルモンによって起こること。だから、私の場合は、穴があいた壁を見ても、大した問題じゃないと思っていました。子どもなりにすごく悩んでいて、それをわかってほしいけれど上手く言葉にできないし、伝わらない。そんな気持ちの現れなのだと理解していましたから。ついこの間まで「ママ、ママ」と言っていた息子が、急にママじゃなくて「お母さん」と言ったほうがいいの? とか、甘えたいけど甘えられない、そんなジレンマを抱える時期になったんですよね。振り返ってみても、決して、息子たちも私に嫌がらせをしたかったわけではなく、心の行き場がなくて、それを壁に八つ当たりしていただけなのでしょう。
だから、壁に穴があいた日は、親として「うちの息子も思春期に入ったんだな。頭ごなしに怒って子ども扱いするのではなく、一人の大人としてどう接していったらよいのだろうか……」と考えるべきです。そう、子どもと一緒に親も成長しなくちゃいけないんですよね。
それで、私も壁に穴があくと、冷静になれるまで少し待って、「あの子は私に何を伝えたかったんだろう」と反省しながら「昨日は、理解してあげられなくてゴメンね。こういうことだったんだよね」と、伝えるようにしていました。何よりも大事なのは、子どもを信じること。彼らを信じて、伝えようとしていることを一生懸命理解しようとすると、息子たちも次第に落ち着いていきました。
下の息子が中学1年生の時、学校で事件が起こり、息子はその渦中にいました。その際にも「私にだけは、本当のことを言いなさい。私はどんなことがあっても、あなたを守る。噓をついたら、守れなくなってしまうから、本当のことを言ってね」と伝えました。そんな互いの信頼感、絆こそが思春期の心を救うのだと思います。やっぱり、愛をきちんと伝えることが大事なんじゃないかな。食卓が彼らの帰る場所になるよう、ゴハンも愛情を込めて作っていましたね。
それでも、穴があいた壁を見ると、心が痛むこともあります。そんな時は、ぽっかりとあいた穴に、息子たちが幼かった頃の写真や絵などを貼るのがオススメです。そうすれば、息子が可愛かったあの頃を思い出し、頰がゆるむはずですから。息子たちがあける穴は、進む道を自身で決断できる大人になるための通り道。愛をもって見守ってあげてください。
40代は二人の息子の 育てに全力投球でした


今は29歳と25歳の息子が、思春期だった頃。この時に真剣に向き合ったおかげか、独り立ちした息子たちも、何か悩み事があると、ふと家に戻ってきてゴハンを食べています。
撮影/川㟢一貴〈Ajoite〉ヘア・メーク/神戸春美 取材/片山あゆみ、日野 珠希 ※情報は2025年3月号掲載時のものです。
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